true colors
- beautiful, like a rainbow -
menu
ログイン
ユーザー名:

パスワード:


パスワード紛失

2014-08-10(日)

You bet?

カテゴリー: - BlueMoon @ 03:10:04

ドアを開けると僕の好きなアルバムが流れていた。
ああ、彼女が来ているのかもしれない。
ちょっと顔がほころぶ。

店の奥を覗くと彼女がこちらを見て手をひらひらと振る。
ちょうど空いていた隣の席に座ってビールを頼む。
彼女はいつものようにワインを飲んでいて、久しぶりねと言った。

これが聞こえたからいるかなと思ったよ。
彼女とグラスを合わせながら答える。

このアルバムは僕が彼女の誕生日にプレゼントしたもので、彼女はとても
気に入ってくれたのか、この店に来るといつも店のスピーカーに
自分のプレーヤーをつなげて流してもらっていた。

ここに来たらやっぱりこれを聞かないと、ね。
そういって彼女はちょっとフレーズを口ずさむ。

しばらく他愛もない話をしているうちにアルバムが終わり、少し沈黙が流れた後
「実は待ってるんだ」彼女はそう言ってちらっと僕の顔を見る。

僕がきょとんとしていると、彼女は自分のプレーヤーを手にとってケーブルを抜いて
カウンターの上にそっと置いた。

また沈黙が流れて、困った僕がカウンターの中に助けを求めようとしたら
目が合ったバーテンダーが吹き出した。

つられて彼女も笑い出すと、他にも好きなCD教えてくれないかなーと思ったのと言った。

ああ、そういうこと。ごめん。
僕が謝ると、彼女はバーテンダーに向かって負けたわ、何でも飲んでと言った。

ヤツはグラスを出すと彼女のボトルからワインを注ぎ僕の顔を見て
ごちそうさまですとニヤッと笑う。

どうやら僕は二人の賭けの対象になっていたらしい。

グラスをもう一つ。

彼女はそう言って僕の目の前にもきれいな赤ワインの入ったグラスが置かれる。

「乾杯」

3人でグラスを合わせる。
ワインは悔しいけどおいしかった。


2014-06-08(日)

ポケットの中の本

カテゴリー: - BlueMoon @ 12:10:50

僕は後ろのポケットに本を入れるのが好きだ。
もともとでかける時にカバンを持つのが好きじゃない。
だから荷物はいつも最小限。あちこちのポケットにいれる。

財布、鍵、携帯電話そして本。

財布は極力薄いもの。小銭はそのまま突っ込む。鍵も一緒。
何をどこに入れるかはその時によって違うけど、本はいつも左の後ろ。
カバーなんてつけてないし、帯もそのまま。

中にはそんなことしたら本が傷んじゃうという人もいるかもしれない。
でもこうやって一緒に移動していると、だんだん僕の本になってくる。
ちょっとねじれてたりしてさ。

カバーぐらい買ったほうがいいのかなあ、なんて考えながら今日も
ポケットに本を入れる。きっとずっとこのままだね。


2014-01-15(水)

きっぷ

カテゴリー: - BlueMoon @ 23:58:10

あ・・・定期入れ・・・
駅までの道の途中、ふと気づく

どうしようか、取りに戻ろうか。でもめんどくさいなあ
考えながらも足は前に進む

そうだ、切符買ってみよう
そう思いつくと、ちょっとうきうきした

駅についたけど切符売り場がどこにあるのかわからない
上を見ると矢印があったので、それに従って歩く

切符売り場は人がまばらだ
路線図を見て金額を確認する。よしよし。

券売機を眺める。えーっと、乗り換えってどうするんだっけ。
乗り換えの駅を指定するんじゃなかったっけ?
それらしいボタンがなくて悩む。

金額がわからないときはみたいなボタンがあるのでそれを押すと
降車駅を入れろというので入れたら金額がでてお金を入れると切符がでてきた。
なんとなくぺらぺらで頼りない。

どきどきしながら改札を通る。
そうか、ICカード専用のところは通れないのか。
でてきた切符を忘れないようにつまんでひっぱる

次の問題はこれをどこにしまっておくかだ。
ポケットにいれるとあっという間になくしそうなので
財布に入れてポケットにしまう。
なにやってんだろと自分でもちょっとおかしくなる。

乗り換えて無事に降りる駅について財布から切符をだす。
ばいばい
なんかちょっと別れを惜しむ気持ちになったのに
きっぷはさっさと改札に吸い込まれていった。


2013-10-29(火)

満月

カテゴリー: - BlueMoon @ 22:29:34

まーんげつ、まーんまる
適当な歌をアタマノナカで歌いながらグラスを片手にガラスを開ける

moon makes me mad
満月は人を狂わせる

ここは7階
グラスも自分も落ちたらマズイ
ヘブンとセブンって似てるなー

振り向いてガラスを開けて元の世界に戻る

壁のカレンダーをみたら今日は満月じゃなかった


2013-09-16(月)

本屋 彼女と彼の場合

カテゴリー: - BlueMoon @ 19:38:26

「おーい。」
不意に耳の後ろから声が聞こえて、僕は思わず読んでた本を
落っことしそうになった。

あーびっくりしたと僕が言うと

「びっくりしたのはこっちだよ」
頭をタオルでゴシゴシ拭きながら彼女はちょっと頬を膨らませる。

お風呂からでてきたらさっきとまったく変わらない形でいるから
電気つけたら?って言ったのに、ぜーんぜん返事ないんだもん。
寝てるのかと思った。

「ごめんごめん、ちょっと本に集中してて。」
僕はそう言って、栞を挟んで本を閉じる。
ホントだ。ずっと同じ姿勢でいたので、体が固まっている。

「コーヒーでも飲む?」
「コーヒーもいいけどお風呂あがりは冷えたビールでしょ。」
そりゃそうだ。僕は笑って冷蔵庫を開ける。

ビールはいい感じに冷えていて、僕は2つのグラスに注いで
いただきますと彼女と乾杯する。

「何読んでたの?」
「えーっと、拾ったパソコンがかわいくてだけどすごい性能で
でも秘密があって、みたいな感じ。本屋さんで同じ作者の新刊みて
読み終わってないの思い出したんだ。」

おもしろそうだね、と言ったので1巻を彼女に渡してお風呂に向かう。
でてきたときに、さっきと逆になりそうだなーなんてちょっと思った。


本屋 彼の場合

カテゴリー: - BlueMoon @ 18:56:39

それは本当に偶然だった。

ある出版社の人が自分のところからでた本の紹介をしているのをみて
ちょっとおもしろそうだなと思った。

日本全国の本屋さんを紹介している本。

普段ならそこでインターネットから注文できる本屋に行って注文して終わり。

それなのにふと、この前掃除をした時に使いかけの図書カードが出てきたことを思い出した。

そうだ、帰りに久しぶりに駅前の本屋さんに行ってみよう。
紹介されていた本の内容からも、そうするのが正しい気がした。

店に入って記憶を頼りにありそうな棚の近くまで行って驚く。
そこはコミックの棚になっていた。

ああ、確かに。本屋さんは変わっている。

さっぱり配置がわからなくなった店内を歩いてみる。
こうやって棚の間をさまよいながら気になった本を買うのも
楽しいんだったということを思い出す。

お目当ての本は見つからなかったけど、1冊選んでレジに向かう。

週末は連休だからのんびり読むか。
そう思っていたのに、その日のうちに読み終わってしまった。

そして今日も駅前の本屋に向かう。
図書カードはもう残っていない。


本屋 彼女の場合

カテゴリー: - BlueMoon @ 18:28:53

気がつくと音が戻ってくるところだった。

耳に詰まっていた水が流れ出た時のようなその感覚。

本屋で、私は本当に何気なく手に取った本をぱらぱら
見ているうちにその本と自分だけの世界にいた。
時間にすればおそらく5分。

自分がきちんと呼吸していることを確認して
そっと本を戻して少しだけ急ぎ足で店を出る。
歩きながら何が起こったのかを考える。

本の内容にのめり込んでいたのか。
その本は小説で、作者の名前にも馴染みはなかった。
OLとその先輩のランチタイムの話。

最近は読んでなかったタイプの本だというところまで
考えたところで腑に落ちた。

何かに追われるように本を読んでいた。
何かを学ばなければと思っていた。
向上、改革、進歩、そんなようなもの。

救いを求めていたのだな、と思う。

そんな時に何気なく手に取った本に純粋に引きこまれた。

歩く速度を緩める。
明日、あの本を買おう。


2013-08-18(日)

サニーサイドアップ

カテゴリー: - BlueMoon @ 06:13:14

目が覚めるといい匂いがした。

あー朝ごはん作ってくれてるんだ。
しあわせな気持ちでおはようと声をかける。

おはよー、今朝パンだけどたまご食べるー?
食べまーす。
サニーサイドアップー?

ちょっとおもしろがってるような彼女の声。

そうーサニーサイドアップー
りょうかーい

サニーサイドアップ。
目玉焼きを作る時に片側だけ焼くやり方だ。
僕はこの言葉を知った時から大好きになった。

サニーサイドアップの反対って何て言うの?
さあ、知らない。何だろ?

ホントはサニーサイドアップって言いたいだけだったりして
そう言って彼女はとても綺麗なサニーサイドアップの
目玉焼きをテーブルに置く。

目玉焼きはとってもおいしくて、おいしい!といった僕に
彼女はお日様みたいににっこり笑った。


2013-08-05(月)

一日の終わり

カテゴリー: - BlueMoon @ 22:30:05

流れていく雲をぼんやりと見ながら歩いていた
その雲は灰色で薄くって頼りない感じでこっそり流されてた

別にその雲に感情移入したわけじゃない
夏の夕方のつかみどころのないさみしさに酔ったわけでもない
でもそうなのかな わからない
ああ、ギターを弾こうと思った
弾きたいでも弾かなくちゃでもない

家にたどり着いて冷蔵庫からビールを取り出す
ギターをチューニングしてスタンドに置く
そして何を弾くか考える

ふと窓の外を見るともうすっかり日は暮れて星が見えた
そうか、きらきら星を弾いてみよう
ギターを抱えてそっと音を出す

これが僕の一日の終り
ギターと暮らす僕の一日の終り


2013-04-11(木)

You’ve Got Mail!

カテゴリー: - BlueMoon @ 01:58:24

古い映画を見ていた。
僕の好きな女優さんがでている映画だ。

彼女の笑顔はとてもキュートで、声もとっても
ステキなんだけど、録画しておいたそれは吹き替えだった。

見ているうちにやっぱり吹き替えじゃないほうがいいなあなんて
思っていると、映画のテーマソングが流れだした。
ああ、この曲彼女が好きだったな。

その時だった。携帯がなった。

それはまさにいま思い出していた彼女からのメールで。
今日いまから飲まない?と書いてあった。

僕は慌てて着替えをして携帯と財布をポケットに突っ込み
ドアに向かいかけて引き返す。

カバンからヘッドホンを取り出す。

駅までの道を走りながら僕はあの曲を聞く。
もうすぐ会える彼女の笑顔を思い浮かべながら。


2013-02-17(日)

たんじょうびのおくりもの

カテゴリー: - BlueMoon @ 17:12:48

「誕生日に何か欲しいものある?」

そう聞くと隣でワインを飲んでいた彼女は、ちょっと視線を
上げて考え始めた。

彼女は少し前からこの店によくくるようになり、いつからか
なんとなく並んで飲むようになった。

今日も隣に座った彼女がもうすぐ誕生日だと言ったので
何かプレゼントしたいなと思って聞いてみたのだ。

「CDがいいな」
「CDかあ。どんなCDかリクエストある?」
「あなたの好きなアーティストの好きなアルバム」

僕は頭の中で大好きなアーティストを思い浮かべる。

「Bestが何枚かでてるけど、そうじゃない方がいいの?」

そう聞くと彼女は
「あなたが好きなアルバムを聞いてあなたの好きな曲が知りたいの」
そういってちょっと照れくさそうに笑った。


2012-10-27(土)

残されるもの去っていくもの

カテゴリー: - BlueMoon @ 23:06:15

その電車はひどく混んでいて、気がつくとポケットからヘッドフォンを取り出すことさえ
できなくなっていた。

もともと音楽を聞く気分じゃない。
そう考えて目をつぶり揺られながらとりとめのない思考の流れに身を任せる。

このごろずいぶんといろんな物を片付けた。

長い間預かったままだったPC、未使用のたくさんのグラス、ほとんど袖を通してないジャケット。
忘れ去られている本、しまわれたままのCD。

それらをあるべき場所に戻したり、次の主人を探す作業。

やっている最中にふと、これって形見分けみたいだなと思って一人で笑った。

形見分け。父の事を考える。

父は病気になり、手術をしたが死んでしまった。

父が死んでしまったことはもちろん悲しいことで、そのことは随分と私の中に
大きな波紋を作った。

ただそこから少し離れてみると、彼の死に方はなるほど人が羨む要素があるなと思う。

人は誰でもいつかは死ぬ。そんなことは分かっているが、その準備をしているかと言えば
日々の生活に追われてやっていないのが現実だろう。

例えば保険証書。例えば銀行の口座。

いま私が死んだとしたら、残された家族は家探しをする他ない。

父はいろいろなことを自分で済ませていた。
例えば会員登録の解約。例えば身の回りの整理。

そして遺書を残していた。

ただ、その日付は随分と前のもので、これを書いたのでもう良いと思ったのか
気が変わったところもあったが書き直す体力がなかったのか。

父のように死んでいけたらいいな。

気が付くと降りるはずだった駅を過ぎていた。
このままどこまでも行ってしまおうか。でもきっと降りて引き返すのだろう。
そんなことを思いながら、窓の外を通り過ぎていく自分が歩いているはずだった
プラットフォームを静かに眺める。


2012-10-22(月)

上を目指せ

カテゴリー: - BlueMoon @ 00:22:08

「なんかもう疲れちゃったよ」

そういいながらヤツはビールをごくごく飲んだ。

「なんかあったのか?」
「いや、何もない。ていうか、毎日何かなきゃいけない」

意味わかんないよ、といった俺にヤツはこう説明してくれた。

なんかさ、もういろいろ言われてめんどくさいんだよね。
俺はね、仕事がキライなわけじゃない。
でもね、毎日毎日休むことなく上を目指してがんばり続けろ
みたいなことを言われると疲れちゃうんだよね。

昔はよかったなー
俺が新入社員で入った時はさ、週休2日じゃなかったわけよ。
土曜日はさ、3時までだったんだよね。

それでさ、3時なんて中途半端じゃん?
飯食いに行って帰ってきて2時間とか何やるんだよ?って感じでさ。
みんな早く時間になんないかなーとか考えながら仕事しないで
机の上の掃除なんかしちゃってさ。
そういうのって大事なんじゃないかなーと思うんだよな。

「つまりあれか、のりしろがないってことか」
「あー、そうそうそれ。のりしろ。うん。
あ、ビールのおかわりお願いします。」

確かにそうかもしれない。いまの世の中は忙しすぎる。
グータラ社員とまではいかないけれど、もうちょっとヒマでも
いいんじゃないかな。

そう言った俺にヤツはそうだろ、そうだろといいながら
おかわりしたビールをごくごく飲む。

「そっか、おまえも大変だな。そりゃ飲まなきゃやってらんないよな」
「まあな。しかしやっぱ俺の上を目指す戦略は正しかったな」
「戦略?」
「ああ。5時ぐらいから水分とってないんだよ。
打ち合わせ中にものすごくコーヒー飲みたかったんだけどさ。
ビールのことだけ考えて乗り切った。」

「おまえ、打ち合わせ中に何考えてんだよ。」
「決まってるじゃん。毎日うまいビールを飲むという上を目指す戦略。
あ、ビールのおかわりお願いします」

ぜんぜんのりしろあるじゃねーかよ!
そう言って俺もグラスを空にすると負けずに言った。
「ビールのおかわりお願いします!」


2012-10-07(日)

ウクレリスト

カテゴリー: - BlueMoon @ 16:26:10

「ただいまー」
そう言ってドアを開けると返事はなく、奥の部屋から微かに音が聞こえてくる。
ああ、ギター弾いてるんだな。
邪魔しないように、そのまま着替えに行く。

ビートルズか、いいねえなんてふんふん歌っているうちに気が付いた。
なんかいつもと音が違う。
そう思ってそうっとのぞきに行く。

見ると彼女はウクレレを弾いていた。

「あれ?ウクレレ弾けるの?」
びっくりして思わず声をかけてしまった僕に気がついた彼女は
「あ、おかえりー。うん、ギター弾けると弾けるんじゃない?」

そう答えた後、ニヤッとしながら言った。
「ギタリストだけどウクレレは弾けないと思ってた?」

「う、うん。思ってた」
さてはアレを読んだな?

もしかしてそれでこっそり練習したとか。
でもその割には上手いな。

「でも、いままで弾いてるの見たことなかったからさ。」
そうちょっと反撃してみる。

「そうだったっけー。なんか聴きたい?リクエスト受け付けまーす」
彼女は軽くかわしてにっこり笑った。

「お、ライブハウス貸切?んじゃ、差し入れしよっかなー」
彼女の言葉に僕も乗って、ビールを取りに冷蔵庫に向かった。


2012-09-28(金)

かつサンド

カテゴリー: - BlueMoon @ 23:57:08

かつサンド

突然天からの啓示のようにその言葉は頭の中に現れた。
乗り換えの駅に電車が滑り込み、降りようと席を立った時だった。

かつサンド・・・か、うん悪くない。

そう思った俺はすばやくこの近辺のどこに店があったか考える。

かつサンドと言えばあそこしかない。
確か駅の地下街にあったはず。

記憶を頼りに地下街に入ると、ちゃんと店はあった。

気のよさそうなおばちゃんが、今日はハンバーグサンドと
ヒレかつサンドが50円引きですよと教えてくれる。

ありがとうおばちゃん。俺、ここのハンバーグは昔から大好きなんだ。
でも今日買うものは決まっているのだよ。

「かつサンド一つください」
そう言おうとしたところで見慣れないものを見つける。
あれ?こんなサンドあったっけ?説明を見るとかつ増量らしい。
ということで初志貫徹しつつ増量の方のかつサンドを手に入れる。

浮き足立ってうちに帰る途中、秋葉原の店のことを思い出していた。

秋葉原にこの店の本店はある。
うちの親父はオーディオやらパソコンやらが好きで、休みの日には
よく家族で秋葉原に出かけていた。
いま考えるとちょっと変な家族だ。

そんな時よくこの店のかつサンドを買っていたのだ。

その後はしばらく疎遠になっていたが、俺が就職した会社が
秋葉原だったので、よく彼女とこの店で食事をした。
俺にとっては懐かしい思い出の店なのだ。

「今日はビールだな。」
コンビニに立ち寄ってビールを買うことにする。

笑顔のかわいいレジの女の子からビールを受け取ると、コンビニをでて家に向かう。
かつサンドでこんなに幸せな気分になれるなんて俺もたいがい単純だなあ。
そう思いながら、かつサンドとビールの袋をぶら下げて月を眺めながら歩いた。


2012-08-19(日)

ヘルプミー

カテゴリー: - BlueMoon @ 23:15:04

鳴り出した携帯電話をちらっと見て、彼女はちょっと考え込んだ。
「どうしたの?出てもいいよ?」

そういうと、「いえ、大丈夫です」と言ってこちらを見て
困ったように笑った。

「あいかわらず忙しそうだね」「ええ、24時間365日休みなしです」

彼女は会社でヘルプデスクをしている。パソコンが壊れたりすると
みんな彼女のところにやってくるのだ。

それ以外にも困ったことが起こると電話をしてくる。
業務時間外だろうがなんだろうがお構いなしだ。

時には自宅のパソコンの調子が悪いから、休みの日にうちに
きてくれないかと言われたりもするらしい。

「自宅かあ。それ、どうしたの?」「さすがに断りましたよ」
彼女は笑ってアーモンドをつまむ。

「昔はよかったですよ。固定電話だったから、会社出ちゃえば
電話鳴ってもわからないし、パソコンもないから何も出来ない」

「でも今は携帯だしノートパソコンもあって、ネットワークにも
接続できる。いつでもどこでもサポートできちゃうんです」

「そうだね。昔は地下は電波はいらないとかあったしね。
便利になりすぎるのも考えもんだなあ」

「でもこうやって文句言ってても、結局この仕事好きなんですよね」
そう言うとグラスを空にして彼女はにっこり笑った。

きっとこれなんだよなあ。僕はこっそり考える。
みんなこの笑顔に声に触れたくて連絡してくるんだよ。


2012-08-05(日)

サイフの中身

カテゴリー: - BlueMoon @ 17:53:12

「いま、自分のサイフにいくら入ってるか知ってるか?」
「え?知らないなあ」
カバンから財布を取り出す。中を覗く。

「えっと・・・1万円ちょっと。意外とはいってたな」
「つーか、あいかわらず生活感のないサイフだな」

いま使っているサイフは2つ折りで札とカードが数枚しか入らないタイプ。
見た瞬間に欲しくなった。

「小銭はどうすんの?」
「小銭入れは別。」
コイツももう長いこと使っているお気に入りだ。

前はマネークリップを使っていたこともあったのだが、さすがに
それはマズイかと思っていまはサイフを持っている。

「生活感がないと言えば、たまにサイフがカラの時あるんだよな」
「あー、おまえおサイフケータイとカードで生きてるもんな。よく出来るな。」

そうなのだ。この前は一週間ぐらいカラっぽだった。

昔から手ぶらがサイコーと思っているので、学生の頃なんかは飲みに行くのに
適当に金をポケットに突っ込んで行ってた。
その延長でなるべく薄いサイフを使う。そして中をあまり確認しない。

「この前なんかさ、昼飯食いに行ったらサイフがカラでさ」
「で、どうしたんだ?」
「たまたま小銭入れに入ってた分でどうにかなった」
「なにやってんだよ」
ゲラゲラ笑われる。

「そう考えると女の子ってすごいよなあ。ポイントカードとかちゃんと持っててさ」
「あー、そうだな。オレもあれは出来ない。まあ、サイフがカラってことはないけどな」
ニヤニヤしながらカウンターの向こうに「同じ物を」と言ってグラスを指差す。

「まあ、そんな生活じゃサイフにいくら入ってるのか知らなくてもしょうがないか」
「うーん、そうだな。で、おまえは?いくら入ってんだ?」
「え?知らん。」


46 queries. 0.098 sec.
Powered by WordPress Module based on WordPress ME & WordPress

- Once in a BlueMoon - カテゴリ一覧
WordPress 月別過去ログ
 
Powered by XOOPS Cube 2.1© 2001-2006 The XOOPS Cube Project :: FI Theme :: THEME4U