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2012-06-11(月)

おでんが食べたい

カテゴリー: - BlueMoon @ 22:26:34

「おでんが食べたい」
デートの途中で唐突に彼女がそう言った。

「おでん?」「うん、おでん」

「おでんかー・・・そしたらあそこでいいかな」
ちょっと先ののれんを指さす。

彼女がこくんとうなずいたので、のれんに向かって歩き出す。
手をつないで歩きながら、前にその店に来た時のことを思い出す。

あれは彼女と住宅展示場にひやかしで入った時だ。

彼女とはわりと年が離れているうえに、こちらが童顔なこともあって
案内してくれた人が「弟さんですか?」と言ったのが気に障ったらしい。

展示場をでてちょっとふくれた顔の彼女と並んで歩いてる時に聞いたのだ。
ごはん食べて帰ろうよ。何が食べたい?

「おでん」「おでん?」

「あそこ」
ちょっと先ののれんを指さす。

言われるがままについていくと、そこは小さなおでんやさんで
じーさんとばーさんがちょうど店を開けているところだった。

のれんの奥を覗くと男の人が一人いて、椅子を組み立てていた。

「ぼうず、ちょっと手伝ってくれよ」
そう言われて、ぼうずって年じゃないけどねと笑いながら、隅にあった机の天板を持ち上げる。

「これ、足は?」「そこのビールケース」

天板をビールケースに乗っけて、続けて椅子を組み立てる。

「椅子の足はそこ。差込口が微妙に違うから、ちゃんと合うの探せよ」

なんかパズルみたいだなと思いながらせっせと組み立てる。

ふと見ると、もう彼女は中ジョッキを握りながら他のお客さんと笑っていてすっかり機嫌もなおっていた。

「あれ?ここおでんやさんじゃないよ?」
彼女の声にふと我に返る。

「え?あれ?本当だ」「なんでおでんやさんだって思ったの?」
「えっと、いや、何となく、かな。うん。」

年下の彼女に顔を覗き込まれながらしどろもどろで答える。
ヤバい、つないだ手、かなり汗かいてる。


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